明け方まで続いた8匹の仔犬の出産

私は少し朦朧として来ていて、もう寒さなどあまり感じてなくなっていました。
とは言え眠りたいわけでもないので、ぱんの子育ての為の場所をせっせとこしらえていたようです。
まるで他人事のようですが、一眠りしたあとで寝室とロフト2箇所にちゃんと簡易ケージが設置されていて「そぉか」と思ったくらいでした。
主人は3日ほど前から風邪のせいか嘔吐が続き衰弱していたので、事務所のソファーで横になって待機を続けていました。でも仔犬が出てくるたびにどんパパに呼びに来られます。


「次のはだいたい○時○○分ごろだな」
「?なんでわかるの?」
「今までのペースだとだいたい30分ほど間があって生まれてきている」
4匹目あたりから主人がそう言いうので時計を見ると確かにそういったペースです。
さすが几帳面な性格!と感心しました。

そして5匹目は予告通りの時刻に生まれてきたのですが、前の記事に書いたとおり、6匹目の「ポン!」が間髪入れずに出てきたのでした。
だけど予定通りに行かないのは、私の人生らしく慣れっこです。ついさっきまでオロオロしていたのに何だか楽しくなってきました。


この6匹で打ち止めかも、と淡い期待を持ってぱんのお腹を外から探ってみた主人ですが
「ん?まだいそうだぞ」
その言葉に「まだ増えるの!」と正直思ってしまったのでしたが、こうなったら何匹でも出てらっしゃい!と思うしかありません。
ベッドの上は捨ててもよいケットを敷いて養生したつもりでしたが、想像以上のぱんの体液が染み込んでしまいました。しかし少しも汚いと感じることはなく、むしろ美しい光景にさえ見えたのでした。

だんだんと吹っ切れて行く気分のなかで、主人が言った通り7匹目が登場。その子は今度こそどんと同じ真黒でした。
主人も流石にこれで終わりだろうという目で見ていましたが、私はどうも偶数である予感がしてならず、つまり6匹じゃなければ8匹といった具合に、まだ終わった気がしませんでした。


深夜からどんぱんもおしっこタイムをさし置いてお産に集中していたので、ここでトイレ休憩を取らせることにして2頭を外に連れ出しました。
少しだけ白々と夜明けの気配がしましたが、冬なのでまだ外は暗いままです。
その闇の中には数時間前までお腹が張っていた妊婦とは違う、無邪気に走り回るぱんが白く動いていました。

からからになっていた喉を潤した2頭は再び2階に上がると、いつも通りそれぞれの4足の裏を丁寧に拭いて、新生児たちがいる寝室に戻りました。
ベッドの横には朦朧としていた割にはちゃんと組み立てられた育児コーナー、その中にはまだ犬の鳴き方ができないもぞもぞ動く仔犬が7匹。
主人がその即席ケージに新生児を並べて待っていました。

「赤ちゃんは?」
ぱんに問いかけると、すぐさまそのケージにダイブ。そのガサツな所作に一々ヒヤヒヤしましたよ。

それでもしばらくは仔犬たちの毛づくろいをしながら初乳を与えるぱんでした。


7匹だったけれど・・

するとにわかに体勢を変えたかと思うと自分の股間を舐めだして仔犬に気が行かなくなったのです。
「あれ?」と主人がケージの中のぱんを少し動かしてみると、そこには首から下だけのイエローラブ8匹目が胎盤にくるまって覗いていました。

8匹に!

ぱんのお腹が楽になった分だけ、最後の仔犬は出てくるのか遅かったのでしょうか、7匹目のブラックラブの登場より50分近く経っていました。
しかもお庭で駆け回ったあとの出産です。いくら犬は安産だと言われていても、大型犬の仔犬のこれほど突然で大量なお産。しかも私達にとっての初体験です。
ちゃんと出て来てくれてよかった!!と心から思いました。

このとんだ嬉しい産劇は、こうして4時間を超えたところで終演したのでした。メデタシ。

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